永遠の「炭坑節」と

もう聞き飽きました。

「今年の夏は暑い」

 

そろそろ終わりでいいでしょ。

お盆になればクラゲも出るし。

 

お盆といえば、盆踊り。

 

ところが、少子化なのかなんなのか、ご近所で盆踊りをしなくなって久しい。

 

理由は聞いたことないけど、さては世話役のオジサンたちの高齢化もあるのかな。

 

私たちが小学・中学の頃は運動会でもするのかというくらい大勢が集い、アイスキャンディも足りないくらいだったのに。

 

ほらほら色恋沙汰も絡んでたじゃないですかw

 

と、今年も盆踊りの賑やかな太鼓を聞かずに終わるのかと少し寂しいと思っていたら、友人が誘ってくれました。

 

日が高いうちから提灯が灯る隣町の公園へ。

 

実に懐かしい風情。

 

とにかく引いたんだから、とでもいいたげな歪んだ白線。

 

新旧のマンションが見下ろす街中の小さな公園に、果たして人はどれくらい来るのか?

 

「北九州音頭」が流れ始めると、チラホラひとが円を描き出しました。

 

最近の浴衣は、和服だか洋服だか分からんものになりつつあるんですか?

小学生くらいのお嬢さんたちは、フリフリが裾でひらめいてましたよw

 

花火大会へ向かうお姉さんたちの頭やら胸やら腰にも、孔雀か?ってくらい賑やかな飾りがフワフワしてましたがw

 

2曲めのお題は忘れました。

 

3曲めは、「アンパンマン音頭」? 

 

子連れのお母さんたちも楽しそうw

 

そーかそーかそんなのが今どき。。。なのか??

 

小さな子連れ親子も汗だくで輪に入り始めました。

 

と、気になる親子が。

 

3歳くらいの息子はじっと輪を見つめてる。

お父さんはいろいろ話しかけてる。

でも恥ずかしいのか自信がないのか、

ずーっと動かない息子。

 

と、ふらっと息子が立ち上がった。

お父さん、喜ぶ! 

 

 

(行けっ 行くんだっ パトラッシュ! いや違う、息子よ、輪に入るんだっ)

 

根気強いお父さん。じっと待つ。

 

盆踊りは4曲が順にかかってる。ナニが彼を動かすんだろう。

 

あっ!? お父さんが叫んだようでした。

 

「アンバンマンだっ」

 

お父さん、ステップ踏む♪

息子も、ちょい足を出す♪

 

 

ちょっとづつちょっとづつ輪に近づき、とうとう親子は1・2周しました。

 

お父さん、汗だくでタオルがグショグショw

 

町内会主催の盆踊り大会は、アイスキャンディと缶ビールが配布されて休憩が入りました。

 

アナウンスを聞いて、お父さんは嬉しそうに缶ビール♪といいながらテントへ。

 

休憩後、親子の姿は消えていました。

 

同じような親子が何組かいました。

 

里帰りの親子もいたでしょう。

グルグル巻きで幼子を抱っこしたまま踊るお父さんもいましたw

 

彼らを見守るギャラリーもかなりいました。

 

公園の円陣をぐるり囲むベンチ。

 

おじいちゃんおばあちゃんたちが団扇をハタハタ、楽しそうに世間話。

 

順にかかる4曲のうち、炭坑節の紹介はアナウンスの声も大きい。

 

「さっ 炭坑節ですよ! 皆さん、はいっ 輪に入って入ってっ」

 

促されて輪に入る人たち。

教えることもなく教わることもなく、見よう見まねで踊れるのが不思議ですねぇ。

 

東京に住んでた頃、自由ケ丘のお祭りで炭坑節が鳴り始めたときはビックリしました。

 

老いも若きも皆が知ってるって感じでした。

 

なんだか嬉しくなって、炭坑節が終わるまでロータリーの片隅で見ていました。

 

「つっきがー 出った出ったー つっきがーぁ出たーぁ ヨイヨイ♪」

 

盆踊りは難しいことを考えずに世代を越えて伝え続けられる文化だと思います。

 

なにより楽しい夏の想い出になる。

 

この町内会でも、今年もいいご供養になったようです。

 

皆さん、いい笑顔でした。

 

件の親子も来年は炭坑節を踊るのかな。

 

 

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